小公女セーラ:子供時代にこういう理不尽さを学ぶことも必要だよね

アニメ

1985年に放送された「世界名作劇場」第11作品「小公女セーラ」に関する記事です。

主人公のセーラが学院の生徒や院長から執拗ないじめを受けつつも、健気に耐えつづけ、そして仲間への優しさを忘れない姿を描いた名作です。

子供ならず当時の大人にもファンが大勢いたという話を聞いたことがあるくらい良い作品でした。

どのような作品だったのか、復習した結果をまとめました。

小公女セーラとは

「小公女セーラ」は、1985年に放送された世界名作劇場(ハウス世界名作劇場)第11作目の作品で、フジテレビ系列で放映されました。製作は日本アニメーション。

この作品の原作は、フランシス・ホジソン・バーネット(バーネット夫人)の児童文学「小公女」(A Little Princess)です。

大筋のストーリーは、次のような感じです。

主人公のセーラ・クルーは、10歳になるイギリス人で、富豪の一人娘。それまで何不自由ない暮らしをしてきました。

そんなセーラは寄宿舎学校のミンチン女子学院に入学するためにロンドンにやってくるところから物語は始まります。

父親のはからいで特別寄宿生として優遇されたうえ、持ち前の優しさによってあっという間に寄宿舎学校で人気者になります。

しかし、そんなセーラのことを快く思わない者がいました。一人はセーラが来るまでリーダー的存在であった生徒のラビニア。そしてもう一人は貧しい育ちから成りあがったこの寄宿舎学校のミンチン院長。

しかし、セーラ11歳の誕生日祝いの最中に事件が起きます。それは、セーラの父親が破産し、熱病によって亡くなってしまったというのです。

これによって、ミンチン院長はダイヤモンド鉱山への投資回収ができなくなったことになり、激怒。セーラを学院から追放しようとしますが、世間体を考え、使用人として働かせることにするのです。ただし、無賃金で。

ここから、ミンチン院長とラビニアによるセーラへの執拗ないじめが始まるというお話。

勿論、これでお話が終わるわけではないのですが、見ていて気分が悪くなるようないじめが続くんです。この作品。

ちゃんと確認できていませんが、恐らく全46話のうち8割くらいはセーラがいじめにあい続ける話だったと思います。中盤以降で最後のどんでん返しへの伏線が張られるわけですが、最後の数話まで待つことになるので、見ている方が辛くなりますよ(´;ω;`)

セーラがミンチン院長とラビニアらによるいじめに耐え、それでも強くそして自分を慕ってくれる仲間には優しくそして礼儀をもって対応していく健気な姿が非常に印象的な作品で、子供はもちろんのこと、大人にも多くのファンがいたというのは納得がいきますね。

世界名作劇場とは

小公女セーラからはスポンサーの関係で「ハウス名作劇場」という名前になりました。この世界名作劇場では世界中の児童文学を題材にしたアニメが放映されていました。

冒頭で書いたとおり小公女セーラは第11作目ですが、その前までの作品には「フランダースの犬」や「アルプスの少女ハイジ」、「赤毛のアン」や「不思議の島のフローネ」などがありましたよ。

ちなみに、今回復習するにあたって知ったことなのですが、この「世界名作劇場」ってどの作品を含めるのかについては、いろいろな解釈の仕方があるみたいなんです。スーパー戦隊シリーズと同じですね(^^ゞ

この記事では日本アニメーションの公式と同様に、「フランダースの犬」を第1作として数えた場合を採用しました。

いつの間にかシリーズ化してしまったアニメって、長いシリーズになればなるほど、大変なんですね。でもそれだけいろいろなエピソードがあって、話題にはなっていいような気もします( ´艸`)

もしかしたら、初めてアニメで涙した作品かも

世界名作劇場って、日曜日の夜にフジテレビで放映されていて、私もサザエさん前後のアニメからの流れでずっと見ていた記憶があります。

他の記事でも同じようなことを書いたことがあるのですが、私が子供の頃って、こういう女の子が主人公のアニメに対し、

「これは女の子向け」

と決めつけていたところがあったんです。だから、それほど積極的に見ていたわけではなかったのですが、セーラは話がひどすぎて別の方向の興味で見ていた記憶がありますね( ´艸`)

ミンチン院長やラビニア(と彼女の取り巻きの皆さん)には、子供ながらに相当腹立たしく思っていましたよ。アニメなんですけどね、変なところで感情移入してしまっていて。

物語終盤でセーラが復活した時には、ちょっと涙してしまったんですよね。多分、アニメだけでなく、物語などを通して涙した経験ってこれが初めてだったんじゃないかと思います。

やりすぎな内容かも。でも、こういうのって必要ですよね

セーラのお話は一言でいえば、ミンチン院長とラビニアによる執拗ないじめとそれに耐えるセーラの物語です。その「いじめ」もちょっとやりすぎではないか?と思えるような内容になっていましたね。

これを子供向けアニメでやるか?というくらいの内容です。

でも大人になった今考えると、こういういじめって社会の中にいっぱい溢れているわけです。

そういう意味で、子供の頃からこういう作品で、免疫をつけておくのはある意味必要なことなのかもしれないなぁ、と思ってしまいました。

マスコミとか今時のネット世論的な意見だと「いじめを助長する」とか「学校で真似をするようになる」なんてことを言われそうですが、私は逆だと思うんですよね。

こういう作品を通して「いじめ」にクローズアップするのではなく、

  • セーラのいじめへの対処方法
  • セーラの仲間への気遣い
  • セーラの仲間によるセーラへの気遣い

などに目を向けるべきではないかと思うんです。

そして、その時に重要な役割を果たすのが、周りの大人なのではないかと。

大人が子供に語り掛けて、本当に大切なポイントは何か?何をどう考えべきかを導いてあげる必要があると思うのですよ。

まぁ、難しいといえば難しいんですけどね。

逆に考えると、この物語って、結構難しいテーマを描いた作品といえるのかもしれませんね。でもこの作品のように子供にも、大人にも考えるきっかけを与えてくれる作品は、いつまで経っても皆に愛される良作といえるのではないかと思います。

主人公セーラは、島本須美。キャラがハマりすぎ!

小公女セーラの主要な登場人物と声優陣は以下のとおりになっています。

  • セーラ:島本須美
  • ラビニア:山田栄子
  • ベッキー:鈴木みえ
  • ミンチン院長:中西妙子

一番の問題は、島本須美がセーラのキャラにハマりすぎている点でしょうか( ´艸`)

まんまですね。彼女以外のセーラは考えられない。そのくらいのハマり様です。

島本須美って、か細いけれど、芯の強さのある女性っていうイメージ。カリオストロの城のクラリスしかりナウシカ(ナウシカはちょっと違うかな?)もそうです。あの感じ。

島本須美以外には、上記の中でも山田栄子や鈴木みえは派手ではないけれど、1980年代に活躍していた名優で、他のアニメ作品にも多数出演されていますよね。

「世界名作劇場」という手前、確かにキャラ立ちしすぎると浮いちゃうんで、キャスティングはある意味難しいのかもしれませんね(^^ゞ

まとめ

1985年に放送された「世界名作劇場」第11作品の「小公女セーラ」について、再確認したことや私の感想などを記事にまとめました。

「小公女セーラ」は主人公のセーラがいじめに耐えながらも、強い心を持ち続け人々への優しさを忘れない姿を描いた作品で、私が初めてアニメ作品でうれし泣きした作品でもあります。

「小公女セーラ」で描かれた「いじめ」は、確かに酷いものでした。しかしそれをそのまま真似して自分もいじめを始めてしまうのか、或いはいじめの愚かさを知り、他人に優しくできる人物になれるのかは、視聴者である子供自身の心の持ちようだけがポイントになるのではなく、周りにいる大人の助けも重要なのではないかと思いました。

このようなテーマを扱った「小公女セーラ」は、いま見ても優良作品・名作の一つだなと素直に思いました。

この記事を書くにあたり、私は第1話をYouTubeで視聴しました。YouTubeでは記事執筆時点で第1話しか配信されていませんが、楽天TVやAmazon Prime Video、VideoMarketなどでも配信されています。

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