1975年から7年にもわたって放映されていた一休さんに関する記事です。
子供の頃に再放送を何度も見ていた作品で、とても面白いアニメであったと記憶しています。記事を書くにあたり、内容の確認をしてアニメも見直してみましたが、大人になってからの印象もほとんど子供の頃と同じようなものだったんです。
一体、一休さんのどのような部分が子供の頃に感じた印象と共通していたのか、記事にまとめました。
年齢と共に見方が変わったアニメの一つ、それが一休さん
一休さんとは
一休さんは1975年から1982年まで7年にもわたってテレビ朝日系列で放映されていたアニメです。
室町時代に実在した「一休宗純」が生涯を通して様々な説話を残したそうです。それを基に「一休咄」という説話が江戸時代に作られました。これを基にアニメ化したのが一休さんだそうです。
そのため、一休さんの初期は割と有名なお話「屏風の虎退治」の話とか「このはしわたるべからず」の話などが出ていました。
また、南北朝時代の名残を思わせる描写や、直接関係のあるストーリーも時々盛り込まれていました。
後半になると、「一休咄」の話もなくなってしまったために、古今東西の話を翻案したエピソードが増えていきます。(私が覚えているものだと「アルキメデスの原理」とか「トロイの木馬」を盛り込んだエピソードとかありましたよね)
YouTubeの東映公式チャンネルで、第1話が無料配信されています。タイガーマスクの記事と同じで、このサイトで直接見ることができないようですので、リンクだけ貼っておきますね。
コメディからシリアスまで、幅広いネタを楽しみに見ていました
この作品、多分後半はリアルタイムで見ていたと思います。この作品は何回も再放送されていて、自分が成長する過程で再放送のたびにずっと見ていたような記憶がありますね。
とにかく、毎回面白く見ていました。小さい頃は単純にユーモラスな話だけに興味を惹かれていて面白がっていました。しかし、年齢があがるにつれて一休さんの時代背景がわかり、登場人物の関係性(桔梗屋と奉公人との立場の差や庶民との貧富の差など)が分かるようになってからは、シリアスなストーリーに対する解釈ができるようになって、ますます面白いと思うようになったのを記憶しています。
結構印象に残っているエピソードもありますが一番鮮明に覚えているのはやっぱり「思いやり/重い槍」の話ですかね。(調べたところ、これは第108話 「とんちくらべとおもいやり」でした)
父親の残した財産をあてにしている近江屋の主人、遺言では財産のありかのヒントは父の残した壺の底にあるということですが、壺を割らない限り見ることができません。
一休さんが頓智でみごと壺の底に書かれたヒントを見る方法を考え出します。早速壺の底を見てみると「おもいやり」と書かれてあったのです。
一休さんは「人を思いやることが一番の宝だという意味でしょう」と言うわけですが、主人は落胆します。「こんなものをあてにしていたのか」と。
ですが、奥さんと子供から「宝なんてなくてもいい。家族で幸せに暮らせていければ、それでいい」と言われ、主人は心を考えを改めるのでした。
そうしたところ、突然一休さんが主人に尋ねます。
「ところで、この家に槍はありますか?」
すると案の定、倉の中に古びた「重たい槍」があったわけですが、その槍の表面を削ったところ、なんとその槍は金でできていたんです。結局、主人はその金の槍が見つかっても、「もうこんなものは必要ない」といって真面目に暮らし始める、という話です。
こういう子供でも分かりやすくて、心に響きやすい作品はやっぱりいいですよね。あと、謎解きやクイズ、シャレなど子供が好きな要素が詰め込まれていて、単純にストーリーが面白いというだけではなく、バラエティ要素があって楽しめたのだと思います。
一休さんの印象は今も色褪せない!
YouTubeの公式チャンネルで第1話を無料視聴しましたが、やはり子供の頃に抱いた印象・感想とほとんど同じで、少し驚いています。
まぁ、相当何度も見ていたので、記憶に焼き付いていたんでしょうかね。
コメディ要素あり、少し感情移入してしまうポイントありという感じで、30分の中身が濃い作品ですね。
一休さんの中のコメディ要素って、単純で分かりやすいわけですが、単に面白いというだけではなく「頓智がきいていて、ちょっと考えるとわかる」という点が、万人が見ていて面白いと思えるポイントなのではないかと思います。第1話だけでも結構そういうポイントがありました。ちょっとしたことなんですが、こういうところが子供の頃の印象が色褪せない理由の一つなんじゃないかと思いました。
また時代背景を映し出している描写や、一休さんや伊予の局の関係性に関する描写などについては、もちろん子供の頃に思っていたよりも、考えるところは深くなっていると思いますけど、全体像はほとんど変わりなく、大人も子供も楽しめる作品だと思います。
こういう作品って、今もあるのかなぁ?こういう作品は派手な商業的成功は難しいかもしれないですけど、続けてほしいですよね。今の時代だと宗教色があっていろいろと言われちゃうのかな?だとしたら本当に世知辛い世の中ですね。
ちなみに、一休さんは東映アニメオンデマンドで配信されています。1話110円とちょっと・・・ですが、見られる機会があるというのはいいですよね。
大御所声優が勢ぞろい
この頃のアニメって、今となっては大御所と呼ばれる声優がチョイ役で出演していることが多いわけですが、一休さんも結構すごいことになっております。
- 一休さん:藤田淑子
- さよちゃん:桂玲子
- 秀念:はせさん治
- 哲斉:清水マリ→神谷明(!)→井上和彦
- 外観和尚:宮内幸平
- 桔梗屋:緒方賢一
- 弥生:小山まみ(茉美)→吉田理保子
- 蜷川新右衛門:野田圭一
- 足利義満:キートン山田
さよちゃん役の桂玲子は「いくらちゃん」ですよね。声を聞けばすぐにわかります。
一番注目はやっぱり哲斉さんかなぁ。結構すごい人のリレーになっています。神谷明が担当したのはわずか2話しかないみたいです。この2話、子供の頃見ていて「あれっ?」って思ったのを覚えていますよ。個性的ですからね。
ちなみに、弥生さん役についてですが、Wikipediaによると第1話~第3話まで小山まみ(茉美)が担当しているということになっているのですが、私が聞く限り、どう聞いてもそう聞こえないんです。これについては別途調べてみたいと思っています。
まとめ
1975年から7年に渡って放映された「一休さん」について記事にまとめました。
子供の頃は、とにかく毎回頓智やシャレ、様々な知識などが詰め込まれていたストーリーを楽しみにしていました。今回記事を書くにあたり調査をする中でいろいろと思い出した部分も多かったです。
再放送を何度も見ていた作品だけに、印象や感想が割と鮮明に残っていた作品であると同時に、大人になってから見直しても印象や感想が変わらない作品であることもわかりました。
「一休さん」は子供が見ても大人が見ても充分に楽しめる作品だなぁと心から思えました。
今の子供たちにも、エンターテイメント以上の作品としておすすめしたいアニメの一つであると言えるのではないでしょうか。
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