第53話で街をさまようジョーは失って初めて力石が自分にとって掛け替えのない存在であったことに気が付くのでした。
そんなジョーはチンピラに喧嘩を売って傷害事件を起こすことで刑務所に入れられることを考えるものの、返り討ちにあい雪の降る中気を失ってしまうのでした。
今回はそんなジョーが再びさまよい続け、葉子と鉢合わせする様です。それもディスコで(!?)思いがけないところで出会った葉子との間にどんな会話が生まれるのでしょうか?
そしてジョーは見事立ち直ることができるのでしょうか?
あしたのジョー第54話を視聴した結果をまとめました。
ジョーの内面を語りながらの総集編回でした・・
今回は酒場でジョーと葉子が鉢合わせをするシーンがメインで描かれました。
大筋の流れは次のような感じです。
- あてもなく街中をさまようジョー
- 一方、白木葉子は祖父の幹之助と力石のリング葬に出席をする
- リング葬が終わった後、帰路の途中で葉子は一人車を降りる
- 夜になりさまよい歩くジョーを偶然見かける記者
- ジョーは自分をつけ回す記者に気が付き、袋小路で待ち伏せをする
- そして酒を飲むための金を要求する
- 記者たちはおススメの酒場にジョーを連れていく
- 酒を飲むジョーは目の前で葉子が踊っていることに気が付く
- ジョーは葉子の元へ行き、声をかける
- ジョーと葉子は口論になり、ジョーはその場を立ち去る
何気ないエピソードですが、物語のラストにつながる重要な回
今回のエピソードは、夜の街で偶然に葉子と鉢合わせして、よくある口論をするという話なのですが、実は「あしたのジョー」という物語のラストにつながる重要な回でした。
ポイントになるのは、葉子の次のセリフですね。
「はっきり言います。
あなたはリングでウルフ金串の顎を割り、再起不能にしたわ。
そして力石徹も死に追いやった罪深いボクサーなのよ。
こんなところでお酒を飲んで愚痴をこぼしたりしていられるほど気楽な身分じゃないはずだわ。
このままでは男としての義務が立たないでしょう。
あなたには二人からの借りが、神聖な負債があるはずです。
それを今、この場ではっきりと自覚しなさい。はっきりとね。
あなたは二人のために、自分はリングの上で死ぬべき人間なんだと。
あなたは今リングを捨てるつもりらしいけど、そうはさせないわ。そんなことウルフ君も許さないでしょう。力石君だって断じて許したりしないわ。」
多分、連載されていた途中でこれを読んでもそれほど刺さらなかったかもしれませんが、物語の大筋とラストを知っている者としては、これは非常に重要なセリフだなぁと思いました。
ジョーがこの後で段々「燃え尽きる」ことに執着し始めるきっかけはこのセリフだったんじゃないでしょうか?
私は「あしたのジョー2」からしか見ておらず、これだけの重要な会話が葉子との間で交わされていたことを知りませんでした。そのため、今回のエピソードは私にとって非常に鮮烈な印象がありました。
今回のエピソードが上手いと思ったのは、単なる偶然でジョーが葉子と鉢合わせをしたのではなく、記者たちの誘導でこの鉢合わせが起きたというところですね。記者の一人が、葉子がいるという情報を持っていて、あえてこの店(「バロン」)にジョーを連れてきたというわけなんです。
記者としては、もっとスキャンダラスな展開を想定していたのかもしれませんが、逆にジョーをリングに戻す原動力になってしまうという非常に皮肉な展開になっています。
今回も昭和っぽさ全開でしたね!ジョーの飲酒などは今だと放送できないかも(笑)
今回の内容はいかにも昭和っぽい内容になっていましたね。
常にそうと言えばそうなんですが( ´艸`)
お店の様子とかもそうなんですが、いわゆる「ディスコ」=「夜の遊び」というのもそんなイメージですよね。今でもそんな風な演出って通じるんでしょうかね?
それと多分、今の放送だと絶対ダメなのがジョーの飲酒のシーンでしょうか。原作の中で明確にジョーの年齢は書かれていないようですが、間違いなく20歳未満ですからね。恐らく1960年代ってまだお酒やたばこに対する感覚が緩くて、「酒を飲むこと」自体はそれほど「悪」ではなかったのではないかと思います。
ジョーが酒を飲むのは前回のおでん屋でもありました。恐らくアレは全然ありな時代だったのかもしれませんね。
「ディスコ」のシーンは、もしかすると当時のPTAから苦情が寄せられたかもしれませんが、それは「ディスコ」という夜の盛り場にいるからということだけで、酒を飲むこと自体はお咎めなしだったはずです。
ここが本当に「ザ・昭和」な感じです。
夜のネオンも、結構露骨に風俗店の名前とかが出ていて、非常に興味深かったです。(この当時、某国の名前で呼ばれていた風俗もそのまま出ていました(笑))
ただこういう演出の方がリアリティがありますし、ジョーのやるせない気持ちだけではなく、それを食い物にしようとする大人(記者)の狡さ、葉子の意外な側面など非常に物語が立体的に見えてきましたよ。
次回はウルフ金串が再登場!ジョーが出る行動は?
次回のエピソードでも引き続き街をさまようジョーの様子が描かれます。そして、街中でウルフ金串を見かけることになるわけです。
顎の骨を折られ再起不能となったウルフ金串は、ヤクザの用心棒になっていたという話です。
ここでようやく、「あしたのジョー2」の第1話とつながりますね。
「あしたのジョー」では、どうやらもう少し先まで描かれていたみたいですね。
私はてっきり力石が死んだところで終わっていたのだと思っていたのですが・・・。
アニメの「あしたのジョー」と「あしたのジョー2」はそれぞれちょっとずつ変更点があって、それぞれで楽しめる作品となっているみたいです。
ですので、引き続き新鮮な気持ちで見ていきたいと思っています。
虫プロによる「あしたのジョー」で、落ちぶれたウルフ金串のエピソードがどのように描かれるのか、非常に楽しみです。
次回も視聴が楽しみです。
まとめ
「あしたのジョー」の第54話はジョーが夜の街で葉子と鉢合わせをし、口論をする様子が描かれました。
この一見ありきたりなエピソードが、物語のラストに続くとはちょっと驚きです。
この後に続くジョーのメンタリティは葉子によってつくられたものと考えると、ラスト(その直前も含め)は自分が思った以上に感慨深いものだと思えます。
次回は街をさまよい続けるジョーが偶然にもウルフ金串を見かけるというエピソード。このエピソードについては「あしたのジョー2」で見て知っていますが、虫プロの「あしたのジョー」でどのように描かれているのかは興味あるところです。
次回の視聴も楽しみです。
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